バンクーバーでコンドミニアムを買う

Family

2022年3月にバンクーバー市内のコンドミニアム(2ベッドルーム、2バスルーム)を購入しました。

2016年からバンクーバーに住み始めて、まさかコンドを購入するとは夢にも思いませんでした。

というのも、私と夫の収入は平均~平均よりも少し低いくらいだと思います。物価高騰が続く中で、家計を切り詰めて何とか少しの貯金ができる状況です。(息子がホッケーをしてるので、そこの支出がとても大きい…)

現在バンクーバー内で2ベッドルーム、2バスルーム(900sqft以上)の値段は軽く$700,000(7千万円)を超え、一軒家を買いたいとなると1億円を超えます。

コンドミニアム購入を決めた理由

借りていた家がとても狭くて、広い家(賃貸)を探していた

●いざ賃貸を探し始めて、家賃がとても高くて驚いた

●クロワッサン(元妻)がコンドの購入の話を持ち掛けてきた

まず、元々私たちが住んでいた場所はトリプレックスの2ベッド、1バスルーム (約500sqft)の狭い場所でした。元は夫とアイスが住んでた所に私が転がり込んだ形だったのでさらに狭くなってしまい、またアイスが16歳と徐々に成長する中で、彼の為にもう少し快適な広い部屋を用意したいと思っていました。

※トリプレックス…一軒家の中が3家族住めるように仕切られている家。ちなみにデュプレックスは2家族用に仕切られている家です。日本でいう2世帯住宅ですね。バンクーバーの家はこういった作りになっているところが多いです。

2020年から賃貸を探し始めたものの、2ベッドルームでもっと広い賃貸は月々の家賃は$2000以上からのスタートです。と言っても$2000の予算で探すとベースメントばかりで、私たちが望んでる日の光の入る部屋は$2500くらいからになっていしまいます。

毎月その金額を家賃として投げ捨てるのは、収入が高くない私としては大ダメージです。

家賃$2000は日本円で20万相当、東京近郊で4人暮らし賃貸が借りれる値段です。(バンクーバーの家賃は恐ろしく高いです)

そんな引っ越し先探しをしている私たちの状況を、アイスのお母さんのクロワッサン(つまり私の夫の元妻)も知っていて、

ある日、

コンドミニアムを一緒に購入しないか?

と言ってきました。

クロワッサンの言い分としては、ある程度のまとまったお金はあるものの、自分一人で、投資として家を買えるほどの額ではない。でも、そのお金を銀行にただ置いておくのではなく投資に回したい。

※カナダでは不動産の価値が右肩上がりなので、投資として不動産物件を購入する人が多いです。

Vancouver Housing Market: Aug. 2nd, 2024 Update | Map Regional Breakdown - WOWA.ca
The benchmark price of homes in Metro Vancouver was ,197,700 in July 2024, a 0.8% annual decrease and a 4.9% decrease in 27 months from the all-time high of $...

投資をして自分のリタイアに備えつつ、アイスの為に少しでもお金を残したい。

また、私たちがコンドを購入して広い所に住めるのであれば、もちろん普段私たちと一緒に暮らしているアイスは嬉しい訳で、みんなの利益につながるとの言い分でした。

正直、

クロワッサン、夫の元妻とそんなことしたら何か後々トラブルになるのでは無いかと不安…

コンドを購入すると、月々の支払、つまりモーゲージ(住宅ローン)を払う訳ですが、家賃の支払いのように投げ捨てているのではなく、最終的にはコンドが自分の物、財産になり、そのコンドを売ることも可能になるということです。もちろん賃貸と違って、部屋の中を好きに模様替えもできます。

Nattanan KanchanapratによるPixabayからの画像

クロワッサンのことは夫と付き合い始めた頃から知っています。彼女は初めて会った時から親切だったし、事あるごとに気を遣ってくれているのも感じるし、いつも対等に接してくれるとてもいい人です。

Michal JarmolukによるPixabayからの画像

不安な気持ちがありつつも、利害が一致しているので、私と夫にとってはいいオファーでもありました。

そこで、

私、夫、クロワッサンの3人でコンドの購入をする

という人生最大の一大決心をするに至りました。

コンドミニアム購入の流れ

プリアプルーバルをする(Pre-Approval:仮審査)

まずは自分が組めるであろうモーゲージ(Mortgage:住宅ローン)の額を銀行、またはモーゲージ・ブローカー(Mortgage Brokers:住宅ローン専門家)にお願いして確認します。

要は、住宅購入の際に銀行からいくら借りることができるか知らないと物件を探すことができません。

また、モーゲージを組む際の金利を確認し、その時のベストの金利を約90日間保証してくれます。(その期間内に住宅購入が決まらないと、金利が変わる可能性があります)

プリアプルーバルをすることで銀行からおおよそよ借入額を知るとともに、月々の支払額、何年間のモーゲージを組めるかが大体分かります。

リアルター(Realtor:不動産屋)と共に物件を探す

TumisuによるPixabayからの画像

リアルターに予算と希望のエリア、こだわりなどを伝え、物件を探してもらいます。

物件が載っているウェブサイト等も教えてもらい、自分たちでもいくつか物件を選び、リアルターに伝えて実際に見てみたい物件を絞ります。

私たちの場合は、2ベッドルーム、できれば2バスルーム、ペット可、1000sqftは欲しい、陽の光が入る明るい部屋、バンクーバー市内が理想的。

といった感じでした。

リアルターは売り手に連絡を取って内見の予約をしてくれるので、スムーズに内見を進めることができます。それぞれの物件の詳細情報も集めておいてくれるので、当日知りたいことなど質問しやすく段取りを取ってくれます。

私たちの条件と予算でバンクーバー内で物件を探すと、あまり条件に当てはまる物件が無く(どこももっと予算上げないと引っかからない)、とりあえずダメもとでバーナビーエリアも込みで5件見学するコンドを決めました。

物件の購入

オファーを出す

ダメ元で期待せずにまずは勉強がてらに…

という気持ちで見学したコンドの中に、築年数は古いものの、希望に合うところをみつけました。

(新しいコンドほど値段が高い上に狭いので、広さを求めると自動的に古い築年数になりやすい)

私たちが気に入ったその物件はオファーの締切日がとても近く、家を見学した4日後くらいにはオファーを出すかどうか決めないといけませんでした。

正直、こんなにすぐにオファーを出していいのか迷いました。普通は何日もかけて、何件も物件を見て決めるらしいです。ときには条件の合う物件探しに1年以上もかかる人もいるらしいです。

たったの5件見た後でそのうち1件に決めるのは恐らくかなりの博打…

ただ、元々私たちの出している条件にあてはまる家は殆ど無い中で、逆にこの物件を逃したら次が無いのでは…という恐怖もありました。

そこで、またしても

ダメ元で、練習も兼ねてオファー出してみよう

ということにしました。オープンハウスにたくさんの見学者がきていたので、オファーを出すのは私たちだけでない確率が結構ありました。他の人が私たちよりも高い金額でオファーを出した場合、私たちは物件を手に入れられないだけで、オファーを出すだけであれは何も失うものはありません。

手順としては、オファーを出す際にいくらで物件を購入したいかを売り手に伝えます(実際のやり取りは、売り手と買い手のリアルター同士の間で行われます)購入価格に関しては、その時のマーケットの状況や購入予定の物件の市場価値等をリアルターと一緒に見てアドバイスをもらい、最終的には自分たちで決めます。

また、それと同時に条件付き(インスペクションをいれるか、モーゲージの本審査の確認など)のオファーか、条件無しのオファーかを決めます。

私たちの場合は売り手が強いマーケットの状況だったので、条件付きにすると他に同じ物件が欲しい競争相手がいると負ける可能性が高いと言われ、条件なしのオファーを出しました。

後々色んな人に話聞くと、インスペクションは入れてる人がほとんどのようです…

リアルターによって、アドバイスがだいぶ違うみたい…

  

※同じ物件をを欲しがっている人がいる場合リビット(再入札)価格を提示するように売り手から要求されます。

その際、同じ価格を提示することも可能ですが、再入札ということは、他のオファーとあまり差が無い状態、つまり少しの入札差で競り負けてします可能性もあります。もし予算内でもう少し金額を上げることが可能であれば、大体の人は金額を上げると思います。(その物件を絶対に購入したいのであれば)

物件のオーナーが、オファーを受け入れる(小切手で保証金支払い)

オファーが通り、物件の購入が決まったら書類にサインをしてデポジット(通常物件価格の5%程度)を支払います。

銀行でモーゲージの本契約を結ぶ

実際にプリアプルーバルをしてもらった銀行でモーゲージを組む契約をします。

この際、銀行の人と一緒に銀行にモーゲージ支払用のアカウントを設定し、モーゲージの支払方法、支払頻度(月ごとか週ごとか)などを話し合って決めます。

弁護士と共に物件の権利の名義を変更する&支払い

私の場合はモーゲージを組んだ銀行からもらった弁護士リストの中から手数料が一番低額の弁護士を選んで行きました。銀行の方にどういう基準で弁護士を選べばいいかと聞いたところ、どこを選んでも大差はないと言われました。

実際、弁護士事務所に行って手続きした際、これと言って気になるところは無く、予約の時間に合わせて書類を揃えて待っていてくれて準備もばっちりでした。たくさんサインする書類がありましたが、一つ一つどんな書類にサインするのかという説明をしっかりとしてくれました。

鍵の受け取り(take a possession)

Chaiyan AnuwatmongkolchaiによるPixabayからの画像

鍵を受け取って、めでたく家の持ち主となります。

そしてようやく引越しを始められます。

引越し前の準備&引っ越し

yeon-gyeong chaeによるPixabayからの画像

家の模様替え、修繕が必要な場合は時間があれば家具など運び入れる前にやった方がやりやすいですね!

私はベッドルームの壁のペイントをしました。(家具があるとかなり大変です)

またバスルームの掃除や水回りの縁をシリコンでカバーする作業(Caulking)をしました。

古いコンドミニアム(築1979年)なので、掃除はされてたものの、少し古くて劣化してたり、修繕が必要な部分が所々ありました。

私の場合は引っ越し先がすぐ近くだったので(車で10分くらい)、業者を使わず、自分たちで引っ越しする事にしました。

家の修繕、掃除が済んだところで、少しずつ新居へ物を運び入れました。

yeon-gyeong chaeによるPixabayからの画像

最後に残った大きな家具のみトラック(U-Haulという会社のトラックのレンタルを利用しました)で搬入しました。

自分で引っ越しする際は、可能であればエレベーターのサイズや階段の幅の確認をしておくと大きな家具の搬入などスムーズにいくと思います。

引越しする日程をストラタカウンセル(コンドの住民を代表して建物の管理をしてくれる人たち)に伝えておく事で、エレベーターを優先的に使わせてくれる配慮をしてもらえました。

また、建物に住んでる人にもエレベーターが引っ越しで使われるというお知らせが行くので、住人の理解も得られやすかったです。

引越しの際にする事

  1. インターネットの契約
  2. 何がストラタに入ってて、何を自分で契約&支払いするのか確認(例:水道、ガスはストラタにふくまれているけれど、電気は自分持ち…など)
  3. 住宅保険に入る

引越し後確認した方がいい事

・元の家に手紙が届いてないか、最初の1年くらいはチェックする

→なんだかんだ住所変更の漏れがある可能性大。実際に私の新しい家に1年半たった今でも元住人の手紙が届きます…。

まとめ

こんな感じて、私の場合はあっという間にコンドの購入が決まってしまいました。

恐らく一番時間がかかるのは住宅探しで見学して回るところと、実際に気に入った物件を見つけたとしてもオファーが通るかどうか、といったところだと思います。

Rebekka DによるPixabayからの画像

周りの人の話を聞くと、オファーを出しても何回も通らず、何件も他の人に競り負けて、購入までこぎつけるのにとても長い時間がかかったと言っている人もいました。

そして私の話をすると、

ラッキーだったね!

と返されます。どこまで事実としてそう言われているのかは分かりませんが、そう思いたいと思っている今日のこの頃です。

かなりの速さで物件を購入したので、最初は本当に実感が無い上に、もしかしてもう少し待ったらやっぱりいい物件あったのでは…という思いに駆られて、物件を購入した後も売り出されている家を数か月チェックしてみたりもしてました…

(インターネットに出てた限りでは、私たちがゲットしたような条件の物件は出ていなかったので、良しとしようと自分に言い聞かせました)

この記事は私個人の経験したことをベースに、個人でインターネットで調べて補足しなから書きました。

物件の購入は状況によって、リアルターやモーゲージブローカー、その時の制度によっていろんな購入のアプローのチ仕方があると思います。

私の記事はその中の1つの例として、特に初めての物件購入される方の参考になれば幸いです。

Copied title and URL