日本ではあまり人気のあるスポーツとは言えないホッケー、でも水面下で徐々に成長しつつあるような気もします。
カナダ人ってみんなホッケーするの?
“カナダといえばホッケー”
多くの人がそういったイメージを持っている通り、たくさんのカナディアンがホッケーの経験があります。
早い人はで4、5歳ごろからホッケーを始めるみたいです。
以前クリスマスシーズンに夫のステップファーザー(義理の父親)の家に行った際、家の目の前にある川が凍っていて、みんなでスケートを楽しみました。(家はオタワの近くです)
私の住んでいるバンクーバーは冬でもあまり気温が下がらず、川や湖などが凍ることはほとんどありませんが、カナダの他のエリアだと冬はとても寒くなるので、川や湖などが凍り、氷の厚さが十分になるとスケートができるようになります。
そういった気軽にスケートを楽しみやすい環境がある、というのが人気の理由の一つかもしれません。
16歳のホッケーってそもそもどんな感じ?
私の義理の息子アイス(以下アイス)も小さい頃からホッケーをしています。
彼は今現在16歳で、これくらいの歳になると、徐々に運命の分かれ道に近づいてきます。
大学受験なども徐々に視野に入ってくる時期なので、勉強を優先するためにホッケーに限らず今までやっていたスポーツを辞めるという人もでてきます。
という訳で、このあたりの歳になるとただの楽しみとしてホッケーをする子供は徐々に減り、本格的にプロフェッショナルを目指している子供が多くなってきます。
アイスもプロの道を目指している1人で、週に4日程の練習と、1〜2回の試合をこなす忙しいシーズンを送っています。
ホッケーを本格的にする場合は、シーズン前に自分の入りたいチームを選びトライアウトをしないといけません。
3日間くらいかけてトライアウトをして、1人1人のスキルをコーチたちがチェックし、チームのレベルに合うスキルのある人たちが選抜されます。
アイスは今年もU17AAAレベルのチームに入るためにトライアウトを受けたのですが、残念ながら落選してしまいました。(U17 = 17歳以下)
落選の理由の一つとして、春休み中に脚を骨折したという事が大きかった様です。トライアウトまでに骨自体のコンディションは医者からOKがでたものの、脚の筋肉が骨折前の状態まで戻りきらず、100%のコンディションでトライアウトに臨むことができませんでした。
体の事なので仕方ないとはいえ、アイスはトライアウトに落ちとてもショックを受けました。彼の頑張りを見てた私も夫もとても心が痛かったです。
その為、今現在は1つ下のレベルのU17A1チームでホッケーをしています。
ただトライアウト落選の後に連絡が来て、幸いにもAAAチームのAP(Affiliate Player)としてチームに加わる事ができました。
というわけで、アイスはメインでA1チームの練習と試合をしつつ、A1チームのスケジュールが入っていない時はAAAチームの練習に参加するといった多忙な日々を送っています。
AAAチームの試合にもMAX10回まで出られるそうですが、それはチームから声がかかった時のみなので、もしかしたら試合に出れない可能性もあります。
(願わくば10回試合にでられるといいな、と心の中で思っていますが…)
過酷な夜遅くの練習&試合
ホッケーの練習や試合の時間帯は年齢によって変わってきます。
12〜13歳あたりまでは早朝6時頃から始まる朝練がありましたが、それ以降は夕方〜夜の練習になります。
16歳となると練習や試合が夜の8時半以降スタートなどと遅いです。試合が夜の8時半以降から始まると、終わるのは夜10時半以降という感じです。(チームによって時間帯は多少違うかもしれません。)
週末の練習や試合は日中、もしくは夕方の早い時間帯という場合もありますが、その時よって時間はまちまちです。
試合が終わって、更衣室でコーチから試合についてアドバイスをしてもらい、着替えて帰宅…となると、家に着くのが夜11時半過ぎなんてしょっちゅうです。
そしてホッケー後、アイスは必ずお腹を空かせているので軽く何か夜食を作り、シャワーを浴びて夜中の12時過ぎに就寝。
次の日は学校…
かなりのハードスケジュールです。
アイス自身が忙しい、という事はホッケーの送り迎えや食事の準備する親も忙しい。
家族のサポート無しではこのスケジュールをこなす事は無理でしょう。
日本の部活動の様に学校でそのまま放課後に練習、といったスタイルなら送り迎えが無くて楽ですが、
カナダ場合、基本的にホッケーをするのであれば学校とは関係の無い、地域のチームに所属する形になります。(例外もありますが)
ホッケーリンクもその地域にある2〜3つのホームリンク(自分のチームがメインで使うホッケーリンク)を使用するので、日によって練習場所があっちこっち変わります。
バスなどで行けない事も無いのですが、ホッケーの道具が入ったバッグはかなり大きくて思いので、みんな親がドライブしてリンクまで子供を連れていきます。
(※ちなみに、ホッケーに限らずスポーツなど習い事をしている子供の送り迎えは基本親がしている場合がほとんどです)
このように、子供が学校外でスポーツをしていると親も出動しないといけないため、それを今までずっとこなしてきた夫はすごいなぁと思いつつ、自分だったらそこまでがんばれるかな…ととても複雑な気持ちになります。
がんばるもなにも、やらざるを得ないというところでしょうが…
スポーツを通して子供の成長をみるのはこの上ない楽しみであると同時に、とても過酷な日々でもあります。